あなたの歯並びは大丈夫ですか?
アメリカでは、きれいな歯並びや噛み合わせは健康管理の一つであり、ステータスであると考えられているため、歯列矯正をする人は少なくありません。日本では多くの方が、「きれいな見た目」のための矯正と考えていますが、実は健康にもつながっています。
悪い歯並びとは?
悪い歯並びかどうか判断しやすいようにまずは、健康的な歯並びを知る必要があります。健康的な歯並びとは、上下の歯を噛んだ際に、2~3mmほど上の歯が下の歯を覆い、前歯の中心が上下ともそろっている状態を言います。そしてどの歯もきれいに並び、下の前歯を除き、上下の歯が1本につき2本が噛み合い、バランスが取れている状態が理想とされていますが、このような完璧な歯並びの方は、ほとんどいません。だからこそ理想的な歯並びや噛み合わせに近づけるために矯正治療を行います。
悪い歯並びとは、言葉通りで歯がきれいに並んでいない状態のことを言います。デコボコしているので汚れがたまりやすく、歯ブラシでもしっかりと汚れを落としきれないために、歯垢や歯石が付着してしまいます。それが虫歯や歯周病を引き起こす原因となるのです。また歯が内側や外側に倒れていると、見た目が悪いだけでなく、舌をスムーズに動かすことが困難になるため、クリアな発音が難しくなることもあります。ほかにも、左右の噛み合わせがずれていると、筋肉のバランスが悪くなり、それが全身のバランスに悪影響を与えることもあるのです。
代表的な不正咬合
◆開咬(かいこう)
歯をしっかりと噛んだ時に、上下の前歯が閉じずに開いてしまう状態です。前歯がしっかりと噛み合わないため、食べ物を前歯で噛み切ることが難しかったり、空いた隙間から空気がもれて発音に影響などといったことがあります。またリラックスしているときに口が開いてしまいやすいため、虫歯や口臭につながるドライマウスになることもあります。
◆上顎前突(じょうがくぜんとつ)
俗にいう「出っ歯」のことで、上の前歯が大きく前に突き出している状態です。前に突き出していると言っても、出ているのは「前歯」「歯列全体」もしくは「上顎ごと」など一人ひとり状況は異なります。原因も複数あり、遺伝、上下顎の成長のバランスのくずれ、歯並びを悪くする癖の一つである指しゃぶりなどが挙げられます。またこの歯並びの場合、口呼吸になりやすいためドライマウスになる方も少なくありません。
◆反対咬合(はんたいこうごう)
俗にいう「受け口」や「しゃくれ」のことで、下の歯が上の歯より前に出ている状態です。下顎の過度な成長や上顎の成長不足など、「骨格の問題」または「上の歯が後方に傾斜している」ときに起こりやすいかみ合わせです。このかみ合わせでは前歯でしっかりと噛むことができないため、噛む力が弱くなったり、発音に問題を抱えるケースが多くあります。
◆正中離開(せいちゅうりかい)・空隙歯列(くうげきしれつ)
俗にいう「すきっ歯」のことで、歯と歯の間にすき間がある状態です。中でも前歯の間が空いているととても目立つため気にされる方が多くみえます。原因としては「顎に対して歯が小さい」「歯の本数が足りない」などが挙げられます。この場合、食べ物が歯の間に挟まりやすい、息がもれる、発音が不明瞭になりやすいといった悩みを抱える方が多くみえます。
◆過蓋咬合(かがいこうごう)
顔を正面から見たときに、下の歯が見えないくらい上の歯が深く被さっている状態です。歯ぐきを傷つけやすい、物が噛みづらい、発音がしづらいこともあります。また顎の関節に負担がかかりやすい噛み合わせです。
◆上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)
上下の歯が両方とも前に突き出ている状態です。よく「カッパの口」と例えられるくらい横顔のシルエットが特徴的な歯並びです。
◆交叉咬合(こうさこうごう)
左右どちらかの上下の歯並びが、ずれてしまい交叉している状態です。前歯の真ん中が上下で合っていない場合は正中不一致と言うこともあります。食べ物を噛むときに奥歯で物をすりつぶす動きがうまくできないため、将来的に前歯の中心がずれ、顔がゆがむ恐れがある歯並びです