インビザラインではマウスピース矯正をより効率的に行うため「アタッチメント」と呼ばれる歯に貼り付けるパーツを使用することがあります。
ここでは、インビザライン・アタッチメントの用途や仕組み、歯科医院での付け方・外し方、取れた場合の対処法などを分かりやすく解説します。
アタッチメントとは?
◆矯正治療の効果を高めるパーツ
インビザラインの「アタッチメント」とは、矯正治療の一定期間、歯の表面に設置する白い突起のことです。設置は歯科医院で行います。
歯を動かす力、つまり矯正力を効率良く歯に伝えるために設置するパーツです。歯にかかる力を強めることはもちろん、マウスピース単独では難しい方向への矯正力を働かせるためにも使用します。ツルんとした歯の表面に滑らずしっかり矯正力をかけるために設置する突起が「アタッチメント」です。
また、アライナーとの密着性を高めることで、装置が外れる・ズレる現象を防ぎます。
◆レジンを歯面に接着する
インビザラインのアタッチメントは、レジンと呼ばれる歯科用プラスチック樹脂で形作られます。レジンは虫歯治療で用いられる材料で、特別な接着剤を使用することで歯面への固定を容易に行えます。
色は歯に似ているため、アタッチメント装着後に口元の審美性が損なわれることは殆どありません。
また、アタッチメント自体も極めて小さなものなので、日常生活に支障をきたすこともありません。
アタッチメントはいつまで付ける?
インビザラインのアタッチメントは、治療開始から終了まで、すべての期間設置しているものではありません。必要と判断された場合に限り、期間限定で設置します。
アタッチメントはその設置場所や形だけでなく、いつからいつまで設置しておくかも含めて治療計画に全て組み込まれています。疑問点があれば担当医や担当衛生士へ質問すれば、詳しく説明してくれるでしょう。
◆次回診察時に担当医・担当衛生士へ報告する
インビザラインのアタッチメントが取れた場合は、次回診察時に担当医・担当衛生士へ報告しましょう。
担当医はご来院毎に歯の動きが計画通りか、アタッチメントが取れていないかなど、詳しくチェックしています。但し患者さんからの情報提供は大変貴重な情報となりますので、外れてしまったことを伝えましょう。
インビザラインのアタッチメントが取れたことによって、すぐに治療計画に乱れが生じるわけではありません。それよりもアライナーの装着時間が十分に確保されていることが最も大切です。
◆次回診察時に再設置するのが望ましい
基本的に、治療途中で取れたアタッチメントは、次回診察時に再設置するのが望ましいです。それ相応の役割が与えられたパーツが外れてしまったわけですから、元の状態に戻すことが基本となります。
◆場合によっては再設置しないことも
もうすでに十分な効果を発揮しているアタッチメントや、治療の流れの中で取れたとしても治療計画に大きな悪影響を及ぼさないと判断されるアタッチメントであれば、そのまま外れたまま様子を見ることもあります。
食事や歯みがきはどうなる?
アタッチメントが設置されている期間の食事
アタッチメントが設置されていても、基本的に食事制限はありません。インビザラインで矯正治療する場合、食事の際にアライナーを外すことで治療開始前と同じように食事を楽しめるのもインビザラインの大きなメリットのひとつと言えます。
ただし煎餅やキューブの氷のような、咬むと“バリッ”と割れるような食品、またフランスパンのような咬んでもなかなか咬み切れない食品はできるだけ避けてください。このような食品を召し上がるとアタッチメントは外れやすくなります。
アタッチメント部の歯磨き
インビザラインのアタッチメントが設置されていたとしても、歯磨きは通常通りに行えます。普段使っている歯ブラシでブラッシングしましょう。
歯の表面に凹凸がつくことでアタッチメントの周囲は汚れがたまりやすくなるので、普段以上に歯ブラシの毛先の方向を意識しながら丁寧に磨く必要があります。