インビザラインは痛くない矯正治療?
インビザラインは痛くない矯正治療として、人気が高い治療方法です。確かに、ワイヤー矯正などに比べて、痛みが少ない治療方法といえます。
しかし、「痛くない」とは言い切れません。ワイヤー矯正ほどではないものの、痛みがでる可能性はあるのです。
痛くないという言葉だけで、インビザラインを選ぶと痛みがでたときに、治療をしたことを後悔してしまいます。
インビザラインを行うときは痛くないのではなく、痛みが少ない治療方法だということを覚えておいてください。
インビザラインは痛みが少ないといわれる理由
矯正治療は、装置を使って歯を動かして歯並びを整える治療です。歯を動かすために、装置で力をかけていきます。
ワイヤー矯正は歯にかける力が強いため、歯や顎の骨に圧力がかかるのです。そのぶん、強い痛みを感じる人も多くいます。
その点、インビザラインのマウスピースが歯にかける力は、緩やかです。歯の動かし方も少しずつのため、強い痛みを感じることは少ないといわれています。
また、ワイヤー矯正で使用する装置は金属です。金属は口の中の粘膜への刺激が強いため、それを痛みとして感じます。
インビザラインは、透明なプラスチックでできていて、かなり薄いです。金属でできたワイヤーよりも、違和感や口の中の刺激が少なくなっています。
インビザラインの痛みが少ない理由は、歯を動かす力が緩やかなことと、素材に関係しているのです。
歯列矯正の痛みの原因
痛みが少ないといわれているインビザラインでも、人によっては痛みがでる場合があります。
歯が動くときの痛み
歯は、歯茎の下の骨(歯槽骨)に支えられています。歯列矯正は歯に力をかけて、動かす治療です。
動かしたい方向に歯に力をかけると、歯を支えている骨が吸収されます。骨が吸収される際に、痛みの原因となる物質が放出されるのです。
痛みの原因となる物質の放出によって、歯を動かすときに痛みがでる可能性があります。初めて矯正装置を装着してから、3~6時間後に痛みがでることが多いです。
歯の動きが原因で起こる痛みのピークは1~3日。1週間ほどで痛みを感じなくなっていくことがほとんどです。
装置が粘膜にあたるときの痛み
矯正治療で装着している、装置の一部が口の内側や舌に当たって、その刺激が痛みに繋がっているケースもあります。
歯が動いていくうちに装置がずれることや、激しい運動をしたことで装置がずれてしまうこともあるのです。
装置が粘膜に当たって痛い場合は、早めに歯科医に相談をして、装置の付け直しや粘膜に当たらないように調整をしてもらいましょう。
傷ができたときの痛み
ワイヤー矯正のワイヤーが、刺さるなど装置があたって口の中に傷ができると、当然ですが痛みがでます。
口の中の傷は、口内炎の原因の1つです。口内炎になってしまうと、痛みが長引いてしまいますし、そこに装置があたると余計に痛みがでます。
矯正中に感じる痛みが、装置が当たっている場合は我慢しないで、歯科医で対処してもらうようにしましょう。
インビザラインで「痛い」と感じるタイミング
インビザラインは、装置の違和感や痛みが少ない治療といわれていますが、歯を動かすときの圧迫感から、痛みを感じるケースも少なくありません。
インビザラインで、痛みがでるタイミングについて解説していきます。
治療開始時期
インビザラインで治療で、最初に痛みを感じるのは、初めてマウスピースを装着したときです。
マウスピースを装着することで、理想の歯並びにするために歯を動かし始めます。歯を動かすときにかかる圧迫感が痛みの原因となるのです。
また、他の矯正方法と同じように、歯を動かすために骨の吸収が起きることで、痛みがでてくる可能性もあります。
新しいアライナーを装着したとき
インビザラインのマウスピースは、1~2週間のサイクルで新しいものに交換しながら、歯並びを理想の形に近づける治療です。
マウスピースの形は、1つ交換するごとに形が少しずつ変わるため、それまでと別の方向に力が加わります。
交換前と違う方向に力が加わるため、新しいマウスピースを装着したときに、痛みがでるのです。
長時間アライナーを装着しなかった後
インビザラインのマウスピースは1日20~22時間以上の装着が、治療をスムーズに進めるうえて重要なポイントになります。
長時間マウスピースを装着しないでいると、歯は元の位置に戻ろうとする「後戻り」を起こすのです。
後戻りをした状態で、久しぶりにマウスピースを装着しようとすると、後戻りをした部分に強い圧力を感じることで痛みがでることがあります。
後戻りの程度が少しであれば、痛みは少なくリカバリーも可能です。しかし、後戻りが大きくなってしまうと、痛みも強くなります。
マウスピースを外している期間が長く、久しぶりに装着したときに強い痛みがでる場合は、装置が合わなくなっている可能性があるのです。
その場合は、マウスピースを作り直して再度治療計画を立て直す必要がでてきます。装着時間は、できるだけ守るようにしましょう。
アタッチメントがあたる
インビザラインでは、マウスピースの力がしっかり歯に伝わるように、歯の表面にアタッチメントという器具をつけます。
アタッチメントはプラスチック素材でできている、小さい突起物です。アタッチメントをつけると、歯の表面に凹凸が生まれます。
アタッチメントの凹凸が、唇や頬の内側にあたることで痛みがでる場合があるのです。この場合も、歯科医で相談をして下さい。
アタッチメントの縁を削って、装置があたるのを軽減する処置をしてくれるはずです。