軽度な歯周病であれば矯正は可能
矯正治療は、歯の周囲に軽い炎症を起こします。歯周病は、すでに炎症している状態なので矯正治療を行うことで更に炎症を拡大させてしまいます。
そのため、注意が必要ですが軽度の歯周病であれば矯正治療を行うことは可能です。
軽度でなくても歯周病を治療すれば矯正は可能
歯周病があるとリスクの高い矯正治療ですが、歯周病の治療を終えてからであれば誰でも矯正治療を行うことはできます。
しかし、矯正治療にかかる期間は1~3年程で、その間は歯に装置をつけます。矯正治療中は歯周病になりやすいため歯のケアを充分に行うことが大切です。
歯周病のまま矯正を受けるリスク
歯周病を治療せずに矯正治療を行ってしまうと、どのようなリスクが生じるのでしょうか。
歯肉退縮
歯肉退縮(しにくたいしゅく)とは、歯茎が下がってしまい、歯が長く見えるような状態になることです。
歯茎が下がってしまったことで、歯の根っこの部分が出てきてしまいます。見た目が悪いだけではなく、虫歯にもなりやすく、歯周病の細菌が広がり悪化するのです。
歯肉退縮が軽度であれば、歯科医院でディープクリーニングという治療を行うことで歯石や歯垢が取り除かれて元に戻ることができます。
しかし、ディープクリーニングの治療ができない場合は歯茎の手術が必要となります。
歯が抜けてしまう
歯肉退縮の進行が進むと、歯がぐらぐらするようになります。そのまま放置すると、歯が抜け落ちてしまうのです。
そのようなことにならないように、矯正治療を行う前には歯周病の治療は欠かせません。
矯正治療を行う上で、歯周病の有無は重要です。歯周病は、細菌により歯に蓄積された歯垢や歯石によって歯茎が炎症を起こすことでおきます。
成人の8割の人が歯周病になっていますが、あまり痛みを伴わず、見た目からもわからないため、歯周病であることに気付かないことが多い病気です。
歯周病と矯正治療の関係性を理解したうえで、治療を進めていきましょう。