インビザライン矯正中に頭痛が起きるのは、マウスピースを装着した窮屈感で起こるものではなく、矯正中の食いしばりや筋肉の緊張によるものがほとんどです。
インビザライン中に頭痛が起きる原因
筋緊張性頭痛
筋緊張性頭痛とは首から背中の筋肉が張ってこると、痛みを感じる神経が刺激されて引き起こされる頭痛です。
一時的にズキズキとした痛みを伴い、多くの場合日常生活に支障をきたすような痛みではありません。
原因は長時間同じ姿勢をとっていたり無意識に食いしばりをしていたりなど、筋肉が緊張すると起こります。
また歯並びが悪いと噛む力が歯全体に分散されないため、筋緊張性頭痛を引き起こすことがあります。
特にマウスピース装着中は、噛み込みやすいことに加えて、歯が動くときの痛みによるストレスで無意識に食いしばりをしやすく、筋緊張性頭痛が起きることがあります。
咬合関連症
噛み合わせの悪さが原因で起こる不調を「咬合関連症」と言います。
頭痛や肩こり、腰痛、耳鳴り、めまい、吐き気など、全身のさまざまな不調は、実は噛み合わせが悪いことで起こることがあります。
例えば、歯並びが悪く片側だけで噛む癖がある場合、片側だけ歯がすり減ってしまい、左右の歯の高さに差がでます。
それにより、顔周りの筋肉のバランスが崩れて首や肩の筋肉が緊張しやすくなり、頭痛を始めとする全身にさまざまな不調が生じてしまうのです。
不定愁訴(ふていしゅうそ)
不定愁訴とは、頭痛・肩こり・倦怠感・吐き気など体調が悪いと自覚しているものの、検査をしても病名がわからない状態のことです。
不定愁訴の原因はさまざまで、歯並びが悪かったり、顎関節症を発症したりすると何かしらの体調不要を訴える方もいます。
矯正治療で歯並びや噛み合わせを治すと不定愁訴の症状が改善されることもあります。
インビザラインで頭痛が起こりやすいタイミング
インビザライン矯正中は歯に力がかかったり、一時的に噛み合わせがずれたりすると頭痛を引き起こす可能性があります。
マウスピースを交換したとき
マウスピースを初めて装着したときやマウスピースを交換したばかりは、歯が動くときの痛みに加えて、頭痛を引き起こすことがあります。
ゴムかけを始めたとき
インビザライン矯正では、噛み合わせを整えるために上下の歯の間に「顎間ゴム」と呼ばれるゴムをかけることがあります。
ゴムが縮む力によって矯正力が加わると、歯が動くときの痛みに加えて頭痛が起きる可能性があります。
食いしばりをしているとき
矯正中であっても就寝中や日中に歯ぎしりや食いしばりをしている方は、顎や肩、首などの筋肉に力が入り、筋緊張性頭痛を引き起こすことがあります。
ストレスが大きいとき
頭痛はストレスによって引き起こされることもあります。
インビザライン矯正は治療期間中1日22時間以上マウスピースを装着しなければなりません。
そのため、慣れるまでは精神的にストレスが溜まって頭痛を引き起こしてしまうことがあります。
インビザライン中の頭痛を予防するには
食べるときは左右の歯で噛む
噛み方の癖によって頭痛が引き起こされることもあります。
左右のどちらか片側だけで食べ物を噛むと、歯がすり減ったり片側だけ筋肉がついたりします。
それにより、ゆがみが生じて筋肉の緊張が起きやすくなり、頭痛を引き起こしてしまう可能性があります。食べるときは左右の歯を使って噛むようにすると予防につながります。
上下の歯が触れないように意識する
通常上下の歯が接触している時間は15~20分程度と言われています。
特に日中仕事に集中しているときは、無意識に食いしばりをしていることが多いです。上下の歯が触れないように意識するだけでも予防につながります。
インビザラインで頭痛が改善されることもある
頭痛が起きる原因の多くは首や肩などの筋肉の緊張によるものです。
特にかみ合わせが悪いと首や頭周辺の筋肉に緊張が起こり、頭痛の原因になることがあります。
そのため、インビザライン矯正によって歯並び、かみ合わせが良くなると頭痛が緩和される可能性は大いにあります。
ただ、頭痛はさまざまな原因によって起きるため、インビザライン矯正を行なったからといって必ずしも頭痛が改善されるものではありません。