「歯列矯正をしたいけれど目立つのは嫌だ…」
「歯並びが悪くて目立つのも嫌だけど、矯正中のワイヤーが目立つ見た目も辛い…」
歯列矯正を検討されている患者様から、このようなお声をいただくことは多々あります。歯列矯正というと、どうしても口を開けるとワイヤーが見える目立ちやすい状態を想像する方も多いかと思います。
実はそのイメージは昔のもので、現在では歯列矯正もさまざまな目立たない方法が開発されていることをご存知でしょうか?
透明または白色のブラケット+ホワイトワイヤー
一般的に矯正治療というと、歯の表側に銀色の留め具とワイヤーを装着した、特有の目立つ見た目を想像するかと思います。このような見た目の矯正装置を、表側矯正装置と呼んだりするのですが、表側矯正の装置には実は、透明または白色の装置もあります。
ホワイトブラケット、ホワイトワイヤーと呼ばれるこれらの装置は歯の色とよく馴染むため、通常の表側矯正装置よりも目立たずに矯正治療を行えます。
表側矯正装置はさまざまな矯正治療の方法の中でも、最も大きく歯を動かすことに長けており、歯並びが大きく乱れている方におすすめの治療法となります。
治療中の見た目
透明または白色のブラケット+ホワイトワイヤーで治療を行なった場合の見た目は、写真の通りです。はっきりと言ってしまえば、ある程度は見た目に矯正中だとわかってしまいます。
あくまでも表側のワイヤー矯正を従来よりも目立たずにできる、というものであって近くで見ても全くわからない、というわけではないのでその点は注意が必要です。
注意点
ホワイトワイヤーは白く塗装を施しているものがあり、使用中に塗装が剥げてくることがあります。塗装が剥げると本来の銀色が見えて目だってしまうので、注意が必要です。
またホワイトワイヤーは塗装を施している分、通常のワイヤーよりもわずかに太くなります。そのため通常のワイヤーと比べて歯にかかる圧力が少なくなり、治療期間が伸びてしまう可能性があります。
裏側矯正
最も一般的な矯正治療である表側矯正で使用する、ワイヤーと留め具を歯の裏側に装着することで、周囲から見えないように治療を行えるのが裏側矯正です。
裏側矯正は高い技術を求められるため、対応できる医院は少なくなりますが、表側矯正と同様にワイヤーの強い力で歯を動かすため、さまざまな症例に対応しやすいという強みもあります。
裏側矯正は、特に前歯の矯正治療や、出っ歯を引っ込めるような矯正治療を得意としています。
治療中の見た目
写真のように、歯の裏側に装置を装着するため、大きく口を開けたところを、真上や真下から覗き込まない限り、装置が目に触れることはほとんどありません。ごく自然な見た目を実現できると思ってよいでしょう。
注意点
裏側矯正は表側矯正で対応できる症例であれば、基本的にはほとんど全ての症例に対応が可能です。ただし、裏側矯正そのものが高い技術力を要する治療法のため、歯科医師によっては対応していない場合もあります。
また裏側矯正は歯の裏側に矯正器具を装着するため、舌が矯正器具に触れ続けて傷ついてしまい、強い痛みを生じることがあります。患者様によっては、痛みに耐えかねて途中で治療を断念し、表側矯正や後述するマウスピース矯正に切り替える場合もあります。その場合は2つの治療分の費用がかかってしまうため、要注意です。
マウスピース矯正
ホワイトワイヤーを使用した表側矯正や裏側矯正といった、ワイヤー矯正と大きく異なるのが、マウスピース矯正です。
表側矯正や裏側矯正では、ワイヤーの引っ張る力で歯を動かしていたのに対して、マウスピース矯正では現在の歯並びと微妙に異なるマウスピースを装着することで歯をわずかに動かし、徐々に最終的な理想の歯並びの形状のマウスピースに付け替えていくことで、歯列を矯正する装置です。
透明で目立ちにくいマウスピースを使用し、着脱ができるため、気軽に取り組める矯正治療として高い人気を博しています。
治療中の見た目
写真の通り、透明のマウスピースを装着するため、ほとんど見た目には矯正中であることが分かりません。一例として、当院で採用しているインビザラインであれば、同居の家族にすら矯正中だと気付かれなかった、という患者様もおられるほどです。
またマウスピース矯正は一時的にマウスピースを着脱することができるので、万が一にも矯正治療中だと知られたくない場合は、その時だけマウスピースを外しておく、という選択肢もあります。
注意点
インビザラインを含むマウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べると少し対応できる症例が少なくなってしまいます。抜歯が必要な症例や、歯を大きく移動させる必要がある症例の場合は、マウスピースだけで治療を完結できない場合も。
ただしワイヤー矯正とマウスピース矯正を併用することは可能です。最初はワイヤー矯正で大きく歯を動かし、細かな調整はマウスピース矯正で行うことで、治療期間を短縮し、ワイヤーを装着する期間を短くすることができます。