子どもの永久歯が足りなかったり、埋まったまま生えてこない場合、見た目だけでは気付きにくいことが多いですが、レントゲン撮影を行うことで、欠損部位や埋伏部位を確認できます。虫歯治療などで歯科医院を訪れた際に発見されることがよくあります。最近では先天性欠損歯(永久歯が足りない)の症例が増えており、「うちの子だけ?」と心配する必要はありません。
先天性欠損歯とは?
先天性欠損歯とは、生まれつき永久歯の本数が足りない状態を指します。通常、永久歯は親知らずを除いて28本ですが、胎児の時期に歯胚(歯のもと)が形成されないことが原因と考えられています。また、現代の子どもは顎が小さく、歯が入りきらずに歯並びがでこぼこになるため、進化の一環として歯の本数が減っているとも言われています。
治療法
歯がない部分の隙間が問題になる場合、矯正治療や他の歯科治療で改善します。多くのケースでは、矯正装置を使って隙間を閉じ、正常な噛み合わせを作っていきます。ただし、欠損歯の数や噛み合わせの状態に応じて治療法は異なるため、専門医の診断が必要です。また、欠損歯が6本以上の場合には矯正治療が保険適用となります。
埋伏歯とは?
埋伏歯とは、歯の一部または全てが歯ぐきや歯槽骨の中に埋まっている状態で、自然に生えてこないことを指します。これは、歯が生えるスペースが足りない場合や、外傷による影響などで発生します。よく見られる埋伏歯には犬歯(糸切り歯)、過剰歯(余分な歯)、親知らずがあります。
埋伏歯の治療
埋伏歯が自然に生えてくることは難しいため、基本的には治療が必要です。子どもの場合は、経過観察を行い、生えてこない場合は外科的処置を伴う矯正治療を行います。まず歯ぐきに小さな窓を開け、矯正装置を使用して少しずつ歯を引っ張り出します。この際、口腔外科と連携して治療を進めることがあります。
すぐに治療が必要な場合
永久歯の先天性欠損や埋伏歯が見つかっても、すぐに治療が必要になることは多くありません。症状に合わせて、適切な治療のタイミングが提案されます。ただし、埋伏歯が他の歯に悪影響を及ぼしている場合など、早期治療が必要なケースもあります。
早期治療が必要なケース
埋伏歯が他の永久歯の根に影響を与えている場合
その他、他の歯に悪影響が出ている場合
子どもの永久歯が生えてこない、または乳歯が長く残っている場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。