結論から言うと、インプラントを入れた後でも矯正治療を行うことは基本的に可能です。実際、インプラントを入れた後に、自分の口元に関心を持ち矯正治療を始める方も多くいらっしゃいます。
矯正治療の主な方法は以下の2つです
ブラケット矯正(ワイヤー矯正):ワイヤーを通したブラケットを歯に装着し、少しずつ歯を動かして歯並びを整えます。
マウスピース矯正:個人に合わせたマウスピースを使い、治療段階ごとに交換しながら歯を動かしていきます。
しかし、インプラントが原因で矯正治療が難しくなる場合もあります。以下に、矯正治療ができなくなる3つのパターンを解説します。
矯正治療ができない場合
1. 動かしたい歯の導線にインプラントが絡む場合
インプラントは、歯根膜がなく一度埋入すると動かすことができません。そのため、矯正治療で動かしたい歯の導線にインプラントがあると、歯を動かせなくなり、治療が難しくなります。動かしたい歯がインプラントに阻害される場合は、矯正治療ができない可能性があります。
2. インプラントの本数が多い場合
インプラントの本数が多いと、歯を動かす際の可動域が狭くなり、理想的な歯の移動が難しくなります。ただし、インプラントが複数あっても、動かしたい歯の導線に絡まなければ矯正治療ができることもあります。具体的な判断は、検査をしてみないと分からないため、歯科医院での相談が必要です。
3. インプラントと矯正治療を同時に行いたい場合
インプラントと矯正治療を同時に行うことは難しいです。インプラントを埋め込んだ後は、数か月間、インプラントが骨と結合するまで負荷をかけないようにしなければなりません。この期間中に矯正器具を装着すると、インプラントや矯正治療に悪影響を与える可能性があるため、矯正治療はインプラント治療後に行うのが安全です。
インプラントが矯正治療に役立つ場合もある?
インプラントは動かないため、矯正治療の固定支点として役立つこともあります。特定の歯を動かしたい場合、インプラントを固定点として利用し、他の歯を動かすことが可能です。このように、インプラントがあることで矯正治療が進めやすくなるケースもあるため、まずは歯科医に相談することをおすすめします。
まとめ
インプラントを入れた後でも矯正治療は可能ですが、いくつかの制約がある場合もあります。インプラントの本数や位置、矯正の目的によって治療計画が変わりますので、専門の歯科医院で相談し、適切な治療方法を選びましょう。