自家歯牙移植とは

自家歯牙移植とは

奥歯を抜かなければならない状況の方は、今一度親知らずがあるかどうか、歯の移植ができないかどうかを検討して下さい。
歯を抜く基準は歯科医院によってばらつきがあります。
先ず歯周病治療・歯周組織再生治療や精密根管治療で保存を試みましょう。
もしそれでもダメな場合は親知らずを移植する自家歯牙移植(歯の移植)を検討しませんか?
歯を抜いてインプラントにするというのは何処の歯科医院にいかれても説明を受ける治療方法でしょう。
しかし!インプラントに勝るものはご自身の歯そのものなはずです。
奥歯が既に無くなっている方でも親知らずを移植することで咀嚼能率を格段にあげることが可能です。
4本の奥歯が無い方でも4本の親知らずが残っていれば適応症になり得るかもしれません。
また、お子さんで先天的に歯の数が少ない場合なども自家歯牙移植と矯正治療により、正常な歯列を回復することが可能です。
小児の先天的歯牙欠損は前歯や小臼歯を中心に認められます。
一般的に小児歯科では移植を推奨しませんが、乳歯から永久歯に生え変わり永久歯の形成が完了する前であれば歯牙移植をしても神経や血管までもが残せる可能性が大いにあります。

歯の移植なんてできるの?

歯の移植は(自家歯牙移植)はどんな時にできるの?

・歯が折れたり、虫歯で崩壊し、または根に膿がたまり難治性で奥歯を抜かなかればならない場合
・既に奥歯を抜かれている場合
・その場所にインプラントを入れようかブリッジにしようか考えられている方
以上は移植出来る親知らずをお持ちの方が対象となります。
先天的に永久歯が少なく隙間が多く空いていたり、乳歯が悪い状態で遅くまで残っているケース
矯正治療との併用が条件となります。(矯正治療で歯列を並べるにあたって余分、過剰と診断された中間の歯(小臼歯)を足りない箇所へ移植します。
多くは前歯や小臼歯が対象で、インプラントを入れずに自分の歯できちんとした歯並びと機能を回復できる可能性があり、小児から成人までが対象となります。

自家歯牙移植は歴史のある選択肢です。 1950~60年代より症例が重ねられています。

1950〜60年代より、齲蝕(うしょく/虫歯のこと)におかされた第一大臼歯の抜歯窩に根未完成歯の智歯を移植したり、他家歯牙移植 (現在は行われません)や、外傷により脱臼した歯牙の再植、意図的再植(難治性の根の病気を持つ歯を一度抜歯し根に処置を施し再度同じ場所に埋め戻す)などがされはじめました。
当時は、科学的な背景はなく試行錯誤の歴史でしたが、1970年以降 組織学的、病理学的、生物学的な研究によって、 自家歯牙移植の生物学的原則および移植によって治るという科学的・理論的根拠が確立されました。

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