子どもの永久歯が足りない・生えてこない時の矯正治療
2022.10.06更新
見た目だけでは気付くことが少ないため、レントゲン撮影を行うことで、欠損部位(足りない箇所)や埋伏部位(歯が埋まっている箇所)を確認することができます。そのため、虫歯治療などで歯科医院にかかり、レントゲン撮影をした際に指摘され、気付かれるケースがほとんどです。最近は先天性欠損(永久歯が足りない)の症例も多くみられるため、「うちの子どもだけ!?」と慌てる必要はありません
先天性欠損歯(永久歯が足りない)について
先天性欠損歯とは?
本来、永久歯は全部で28本(親知らずを除く)ありますが、生まれつき永久歯の本数が足りない状態を先天性欠損といいます。はっきりした原因はわかっていませんが、胎児の時期に歯胚(歯のもとになるもの)がつくられないことで起こります。また、小顔傾向にある現代人は顎が小さく、歯が入りきらずにでこぼこの歯並びになるため、自ら歯並びを良くするために歯の本数を減らしている「進化」と考えられていることもあり、最近の子どもに多くみられます。
歯がない部分、どう治療するの?
隙間が問題になる場合、矯正治療や他の歯科治療で改善する方法があります。多くの場合は、隙間を矯正装置で閉鎖し、咬み合わせをつくっていきます。しかし、永久歯が足りない箇所や本数、咬みあわせの状態によって治療内容が異なりますので、一度ご相談ください。また、足りない本数が6歯以上に及ぶ場合には、矯正治療が保険適応となります。
埋伏歯について
埋伏歯とは?
歯の一部、もしくは全てが歯ぐきや歯槽骨(歯を支える骨)の中に埋まって、自然に生えてこれない状態です。歯が生えるスペースが不足していたり、子どもの頃の外傷による影響などによって起こることがあります。
よくある埋伏歯:犬歯(糸切り歯)、過剰歯(余分な歯)、親知らずなど
隠れた埋伏歯は出てくる?
基本的に、自然に生えてくることは難しいため治療が必要となります。子どもの場合には、ある程度経過観察を行った上で、自然に生えてくることが難しそうな場合には治療を行います。しかし、埋伏歯が過剰歯(余分な歯)の場合、他の歯に悪影響を与えなければ、治療を行わないケースもあります。治療を行う場合には、埋まっている歯を矯正治療で助けてあげる処置が必要です。まず歯ぐきに窓をあけ、そのあと歯に矯正装置を装着し、埋まっている歯を少しずつ引っ張り出していきます。その際には、口腔外科と連携して外科処置を伴う矯正治療を行います。
すぐに治療が必要?
永久歯の先天性欠損や埋伏歯があることが分かると、すぐに治療が必要なのではと心配されるかと思いますが、基本的にはすぐに治療を行うことはありません。症状に合わせて、タイミングを見ながら治療時期をご提案いたします。
早期に治療が必要になるのはどんなケース?
例えば、埋伏歯が他の永久歯の根に影響を与えている場合には、子どもの場合でも早期に治療を開始することがあります。ケースに合わせて、治療の必要性の有無や治療時期をお伝えいたします。
先天性欠損歯や埋伏歯に対する治療は、患者様によって、治療開始時期や治療内容が異なります。「子どもの乳歯が抜けたあとに永久歯が生えてこない」、「なかなか抜けない乳歯がある」という場合には一度ご相談ください。
投稿者: